アルミ袋とアルミ蒸着袋の魅力的な活用法

アルミ蒸着袋

さまざまな商品に使われているアルミ袋とアルミ蒸着袋。なぜ、暮らしに定着したのでしょうか。その理由を素材の特長から探ります。さらに、商品パッケージとして開発された背景や最新の印刷技術、注目の加工技術を知ることで、魅力的な活用法が見えてきました。

スナック菓子や茶葉の商品パッケージとして使用される“アルミ袋”。コンビニエンスストアやスーパーの陳列棚に並び、家庭でも手にする機会が多く、生活にすっかりなじんでいます。なぜ、“アルミ袋”は、ここまで定着したのでしょうか。アルミという素材の特長から、理由を解説します。さらに、特長を生かした活用法を探りましょう。

アルミからアルミ箔へ

アルミは、1800年代の初頭に発見された新しい金属です。「軽い」「強い」「耐食性がよい」「加工性がよい」といった特長があり、200年ほどの間に、社会を支えるために欠かせない原材料となりました。いまや宇宙開発から電気機器、建築、包装容器まで広い分野で使用されています。

アルミの地金を薄くのばしたものが、アルミ箔です。キッチン用品のアルミホイルはなじみ深いでしょう。バターやチーズ、板チョコの包み紙、カップ麺のふた、錠剤の包装シートなど、暮らしのなかにはアルミ箔を使った商品パッケージがいくつも見つかるはずです。意外なものでは、硬式野球の試合で使用される公認ボールの包装があります。牛革製のボールは、空気と光にさらされると黄ばむため、遮光性の高いアルミ箔で守られているのです。

このバリア性の高さが、アルミ箔が商品パッケージに適している理由といえます。酸素や湿気、光、熱を遮断して、内容物の劣化を防ぎ、品質保持に役立つのです。食品の包装にアルミ箔がよく使用されるのもうなずけます。

身のまわりのアルミ箔複合材

アルミ箔は、ほかの素材と接合しやすいため、複合材料として多用されてきました。見慣れたものでは、アルコール飲料の紙パックがあります。これは、板紙にアルミ箔やプラスチック製のフィルムを貼り合わせたものです。紙だけでは液体の容器になりえません。耐水性のある素材と組み合わせることで、不可能を可能にしました。そのなかでアルミ箔に期待された機能は、遮光性です。紙パックはガラス瓶よりも品質保持に優れているともいわれ、アルミ箔の重要な役割をうかがい知ることができます。

紙パックとよく似た紙カップもまたアルミ箔複合材です。真っ先に思いつくのは、スナック菓子やカップスープの容器でしょうか。かつては発泡スチロール製の容器が使われていましたが、今では紙カップが主流です。ここでもアルミ箔は、遮光性と酸素バリア性を発揮して、内容物の品質保持に貢献しています。

“アルミ袋”とは何か

商品パッケージとして定着している“アルミ袋”も、アルミ箔複合材の仲間です。“アルミ袋”の種類と形態を見ていきましょう。

アルミ袋とアルミ蒸着袋の違いとは

実は、“アルミ袋”には種類がふたつあります。
ひとつが、一般的に「アルミ袋」と呼びならわされているもの。アルミ箔、ペットボトルの素材であるPET(ポリエチレンテレフタレート)、PE(ポリエチレン)などの積層フィルムでつくられています。
1970年、日本で初めて発売された真空包装のレギュラーコーヒーに使われたのが、このアルミ袋でした。コーヒーの風味を損ねる酸素や湿気、光を通さないバリア性、香りを閉じ込める保香性の高さが評価され、採用されたのです。
スーパーのコーヒー売り場には、たくさんの商品が並んでいますが、その多くにアルミ袋が使われていることに気づくでしょう。

緑茶の商品パッケージにもアルミ袋が用いられています。1960年代半ば、茶葉の真空包装技術とともに開発されました。緑茶の天敵である酸素を完全に除去して、バリア性の高いアルミ袋に茶葉を密封することに成功したのです。それ以前、緑茶はブリキ製の茶筒で販売されていました。商品として店頭に並ぶまでは、内側にブリキなどを張った木製の茶箱に入れて輸送、保管されていました。ブリキが湿気や光から茶葉を守っていたのです。しかし、茶筒や茶箱の中の酸素には対応しきれません。その課題を解決したのが、真空包装技術とアルミ袋だったのです。

もうひとつの“アルミ袋”は、「アルミ蒸着袋」です。この袋にアルミ箔は使われていません。PETやPP(ポリプロピレン)などを素材としたフィルムに、蒸発させたアルミの粒子を定着させる「アルミ蒸着」という技術によってつくられます。これは、スナック菓子の吸湿や酸化を防ぐ必要性から誕生しました。アルミ袋より光沢があり、軟らかく、アルミ袋と同様のバリア性に優れています。

アルミ袋とアルミ蒸着袋の代表的な形態

アルミ袋もアルミ蒸着袋も、高いバリア性が評価され、食品から医薬品、化粧品まで幅広い分野で使われています。一番よく見るのは「合掌袋」でしょう。一枚のフィルムを背面と底で貼り合わせたもので、菓子の袋に多い形態です。
合掌袋の側面にマチをつけた「ガゼット袋」は、コーヒーや茶葉の袋に多用されています。
二枚のフィルムを側面と底の三方で貼り合わせたものが「三方袋」です。気密性が高く、レトルト食品や冷凍食品、医薬品、化粧品など水分を多く含む商品に適しています。
三方袋の底にマチを入れた「スタンドパウチ」は、自立するのが最大の特長です。そのため、売り場での視認性が高く、さまざまな商品に使われています。食品のほかにはヘアケア用品の詰め替え用パッケージでおなじみでしょう。
文房具の袋に多くみられるのが「溶断袋」です。溶断とは、熱刃でフィルムを溶かして圧着しながら切断する技術であり、アルミ蒸着袋の加工に用いられています。

このように、商品パッケージとしてのアルミは、さまざまな形態で私たちの生活に溶け込んでいるのです。

商品パッケージとしての活用法

ここでは、アルミ袋があったからこそ商品化できたドッグフードのエピソードを紹介します。さらに、アルミ袋とアルミ蒸着袋が商品パッケージとして選ばれる理由を知り、活用法を考えてみましょう。

アルミ袋が商品化へとつながった!

ペットフード売り場には、目移りするほどたくさんの商品が並んでいます。アルミ袋やアルミトレイが多いことに気づくでしょう。鮮度を保つ高いバリア性が評価されて、1980年代の前半から使われてきました。
2004年、犬の口腔ケアに役立つサプリメントガムが商品化されました。原材料のひとつであるクロロフィル(葉緑素)には、紫外線にあたると変質するという難点があります。これを防ぐためには、光を完全に遮断する素材が必要でした。品質が保持できないと商品になりません。そのときに選ばれたのが、アルミ袋でした。複合材料であるアルミ袋は、アルミ箔とほかの素材の特長を合わせ持つため、最適な商品パッケージとなりえたのです。

選ばれる理由は光沢の美しさ

アルミ袋とアルミ蒸着袋が商品パッケージに採用される理由は、機能性だけではありません。美粧性(びしょうせい)の高さも評価されています。商品パッケージは、見た目で人を惹きつけなければならないからです。アルミのキラキラと輝く光沢は、それだけで人の目を引き、なめらかな質感は、デザインによって高級感を演出できます。
美しい光沢を生かし、さらに商品やブランドにふさわしい印刷を施せば、売り場に映えることでしょう。SNSが発達した現代において、映えるか否かは無視できないポイントです。

印刷技術で魅せる

商品パッケージを華やかに装う印刷技術のひとつが「コールド箔」です。従来の箔押しとは異なり、熱を加えずに箔を定着させるため、熱に弱い素材にも活用できます。繊細な線やグラデーションが再現できるようになったため、美しいデザインの商品パッケージがさらに増えることでしょう。

近年は、多品種小ロット生産が可能な「デジタル印刷」の利用が増えています。消費者の多様化するニーズに応える手段として選ばれているのです。同じ商品に異なるデザインの商品パッケージを施す「バージョニング」、ベースとなる絵柄からさまざまなデザインパターンを自動生成する「モザイクシステム」といった方法を駆使すれば、話題性のあるアルミ袋とアルミ蒸着袋を生みだせるでしょう。

窓付きアルミパウチで魅せる

商品パッケージのなかでも注目される加工技術が、「窓付きアルミパウチ」です。メタリックの華やかさと窓から中に入っている商品を見せることを両立させたもので、化粧品や食品のパッケージによく使われてきました。個性的な見せ方ができるので、ノベルティグッズの包装にも向いています。
窓のほかにも、マチやチャックを付けたり、フック用の穴を開けるといった加工と組み合わせると、さらにおもしろい商品パッケージを生みだせるでしょう。窓付きアルミパウチには、アイデアの数だけ活用法があるのです。

軽くて強いアルミは、発見されてから200年ほどで社会に欠かせない原材料となり、バリア性の高さが評価されて商品パッケージに活用されてきました。そのときどきの課題を解決するなかで生まれたのが、アルミ袋とアルミ蒸着袋です。機能性と美粧性の高さから、商品パッケージとしてすっかり定着しています。
進化を続ける印刷・加工技術を施して、アルミ袋とアルミ蒸着袋をより魅力ある商品パッケージとして活用しませんか。

参考

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